創刊号「que sera(ケ・セラ)」に添えて
「風の家」から
すべての始まりは、築40年近い古家からでした。
家の主を失って空き家になった家は、昔から風通しのいい家でした。
この家にもっといい風を吹かせたい。そう思ったときから、‘大人の遊び場’である「風の家」が生まりました。 「じぶんたちが喜ぶことで、ほかの人にも喜んでもらいたい」。それが「遊び」の基本です。 第4回を迎えたイベントもその一環。そこにたいそうな理由はありません。 既成のもので遊ぶより、作り出すこと、生み出すことの遊びの方がずっと楽しいからです。 そういう同じ想いを持つイイ年をした大人たちが集い、それぞれ忙しい仕事の合間を縫って時間を作り、思いっきり遊んでいます。 花を挿す者、ディスプレイをする者、庭の作業をする者、パンや菓子を焼く者…、そして、こんな冊子を作る者。 みんなそれぞれが好きなことを、好きなようにやっています。
対価は「JOY=楽しむこと」。
手作りのご飯がおいしいように、手作りのイベントも味があります。 それを喜んでもらう人がいるほどに、JOYは増してきます。 今回の東日本大震災で、日本列島が哀しみと不安と悲観の暗い空気に包まれています。 ほんのわずかでも収益の一部を義援金とし、被災地に少しでも笑顔が戻るきっかけになってくれること、 そして、この「風の家」から、春の明るさと、生きていることの喜びの風を吹かせられたらと思わずにはいられません。 それが、今、生かされているわたしたちの務めのような気がするからです。
2011年 3月 麻生侑希
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