風の家 

 


両親がときどき帰れる家にしよう。

兄たちが憩える家にしよう。

わたしたちが週末遊ぶ家にしよう。

そう思いながら、心地よい場をつくろうとしていた。

毎週、いろんな人の手が入り、モノを処分し、きれいに整え、

少しでも居心地をよくしようとかたちづくっているうちに、

家が少しずつ、わたしたちになじんできた。

気づくと、家の中を風が吹き抜けていた。

ああ、「夢のハウス」は、ここだったんだ。

風のように人が出入りし、交わる家。

ここを大人たちの遊び場にしよう。

夢に描いた、「みんなの家」を作ろう。

夢のハウスを、Casa de Viento(カサ・デ・ビエント)=「風の家」と名付けた。

人が集えば、きっと何かが始まると信じて。  

つづく